フェレットの肥満細胞腫について

獣医領域で肥満細胞腫というと犬の皮膚肥満細胞腫が有名です。他の動物では肥満細胞腫は悪性度の低い腫瘍として知られていますが、犬の皮膚肥満細胞腫では悪性度がとても高く、手術や抗癌剤によって治療をすることが多いです。

今回のフェレットの肥満細胞腫も悪性度は低く、良性腫瘍のような特徴があるので、摘出後は問題にならないことが多いです。

症例紹介


症例は皮膚に傷があると来院したフェレットです。約2mmくらいのマダニに噛まれたような傷があり、最初は皮膚の治療をしたものの改善せず、腫瘍の可能性が疑われたため摘出手術を行いました。
この病変はかなり小さいため細胞を取って検査をすることが難しく、摘出した後病理検査にて診断をつけることになりました。

摘出後の傷です。麻酔からも問題なく覚め、当日退院しております。

病理検査では肥満細胞腫という結果が帰ってきました。この症例のように皮膚炎かと思ったら腫瘍が隠れていることもよくあります。何か異変を見つけましたら早めにご相談ください。