局所麻酔について
局所麻酔は、手術や治療中に痛みを感じないようにするための方法です。この麻酔は、治療する部位にのみ作用し、その部分の感覚を一時的に失わせます。体全体に影響を与えることはほとんどありません。
神経ブロック麻酔
神経ブロック麻酔は、特定の神経を一時的に麻痺させることで、手術や治療中の痛みを感じないようにする麻酔方法です。この方法は、治療を行う部位に関連する神経をブロックすることによって、その部分の痛みを完全に止めることができます。特定の神経のみ麻酔をかけるために、超音波機器で神経を確認しながら神経周囲に麻酔薬を注入したりします。
神経ブロック麻酔の仕組み
神経ブロック麻酔では、麻酔薬を神経の近くに注射することによって、その神経の伝達を一時的に遮断します。これにより、麻酔薬が作用した部位から脳に痛みの信号が届かなくなり、その部分に痛みを感じることがなくなります。
マルチモーダル麻酔
マルチモーダル麻酔とは複数の麻酔薬や麻酔技術を組み合わせて、動物の痛みを効果的に管理する方法です。このアプローチでは、各麻酔薬や技術が異なる作用機序で痛みを抑えるため、相乗効果により、より高い効果を得ることができます。また、麻酔薬の使用量を減らすことで、副作用を最小限に抑えることができます。
持病のある動物や高齢の動物など麻酔リスクが高い動物には特に有用で、全身麻酔と神経ブロック麻酔などの局所麻酔を組み合わせることでより安全に麻酔をかけることが可能になります。登戸動物医療センターではマルチモーダル麻酔を積極的に使用することで安全性の高い麻酔下の検査・処置・手術をすることが可能です。
心臓が悪い高齢の犬の手術症例はこちらをごらんください。