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猫の心因性脱毛症について
猫の心因性脱毛症(しんいんせいだつもうしょう)は、ストレスや不安などの心理的な要因が原因で猫が自分で毛を引っ張ったり、舐めたりして脱毛を引き起こす病気です。実際には毛が抜けているのではなく根本で切れていることが多いです。
主な原因
心因性脱毛症は、猫がストレスを感じることがきっかけで発症します。猫がストレスを感じる原因としては以下のようなものがあります:
- 環境の変化(引っ越し、新しいペットの導入、飼い主の不在など)
- 飼い主との関係やコミュニケーションの不足
- 他の動物との争い(特に多頭飼いの場合)
- 狭いスペースや退屈によるストレス
- 痛みや病気などの身体的な不調からくる心理的な影響
症状
心因性脱毛症の猫は、通常以下のような行動を示します:
- 毛を自分で舐め続ける、または引っ張る
- 舐める部位に脱毛が見られる(特に腹部や脚、首周りに多い)
- 毛が抜けた部分が赤くなったり、皮膚に傷がついていることもある
- ストレスや不安を感じている時に舐める行動が増える
診断と治療
心因性脱毛症を診断するためには、獣医師による詳しい問診や、他の病気(感染症やアレルギーなど)の可能性を排除するための検査が必要です。診断がついた後、治療は以下の方法で行われます:
- ストレスの原因を特定し、取り除く:
- 環境を改善し、猫がリラックスできるようにしてあげることが大切です。例えば、静かな場所を作ったり、遊びやおもちゃで猫の興味を引くことが有効です。
- 行動療法:
- ストレスを減らすために、定期的に遊んであげるなど、猫との関わりを増やし、安心感を与えることが重要です。
- 医療的介入:
- 重症の場合、抗不安薬や、ストレスを軽減する薬を処方することがあります。
- 一部の猫では、舐める行動を防ぐための首輪(エリザベスカラー)や、患部をカバーする方法を行うこともあります。
ストレスが原因と一般的に言われているため、一般的な内容を記載させていただきましたが、猫の飼い主様はなるべく猫が快適に過ごせるようにお家を整えていることがほとんどです。何がストレスになっているんだろうと悩まずに一度病院にご相談いただくことをおすすめいたします。
症例紹介

症例は心因性脱毛症の猫です。自分で舐められる範囲がほぼ全て脱毛しています。舐めた結果皮膚には皮膚炎も起きていました。もともと皮膚炎があり、皮膚炎がかゆいために舐めているのか、心因性脱毛症によって毛がなくなり、舐め壊しているのかは検査をして、治療をしながら判断していくことが多いです。
治療にはストレスのない環境を整えたり、フェロモンを使用する方法や、薬を使う方法もあります。
猫の飼い主様はなるべく猫が快適に過ごせるようにお家を整えていることがほとんどです。何がストレスになっているんだろうと悩まずに一度病院にご相談いただくことをおすすめいたします。