Contents
肛門の腫瘍について(肛門周囲腺腫)
肛門の腫瘍には確率の高いものとして、肛門周囲腺腫があります。肛門周囲腺腫は犬に見られ、猫には存在しないといわれています。
肛門周囲腺腫は肛門周囲千由来の良性腫瘍で高齢の去勢手術をしていないオス犬によく発生します。メスにも発生は見られますが、オスの1/3程度の発生率です。
肛門周囲腺腫はコッカー・スパニエル、サモエド・シベリアンハスキー、ブルドック、ビーグル、シーズー、テリア種、チワワなどの犬種で好発すると言われています。
検査
肛門周囲腺腫の検査は、まず直腸検査により他の腫瘍の可能性が無いか、具体的には肛門嚢腺癌の可能性が無いかどうかを調べます。
そのうえで細胞をとって検査をします。細胞の検査をすると肛門周囲腺の腫瘍の可能性が高いかどうかはわかりますが、良性か悪性かまでは判別がつかないと言われています。
治療
肛門周囲腺腫はアンドロジェンという雄ホルモンが強くかかわっていると考えられています。そのため、肛門周囲腺腫の疑いがある場合は、未去勢の場合はまずは去勢手術を行うことが多いです。去勢手術を行わずに肛門周囲腺腫のみ摘出することも可能ですが、アンドロジェンが出続けている状況になるため、再発を繰り返すこともあります。去勢手術をしても腫瘍が小さくならない場合は肛門周囲腺腫の摘出手術を検討します。大型の腫瘍で去勢手術をしても小さくならない場合は、肛門周囲という場所の特性上、広範囲を取ると肛門が機能しなくなってしまうため、他の処置によって腫瘍を小さくしてから摘出することもあります。