膝蓋骨脱臼による前十字靭帯断裂について

膝蓋骨脱臼が進行すると、前十字靭帯断裂を引き起こすことがあります。これは犬の膝において非常に重要な関係で、特に膝蓋骨脱臼が放置されると、膝の安定性が損なわれ、最終的に前十字靭帯が断裂するリスクが高まるため、早期の治療が非常に重要です。

膝蓋骨脱臼と前十字靭帯の関係

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿(膝蓋骨)が本来の位置からずれてしまう状態です。膝蓋骨がずれることで、膝関節に異常な圧力や負荷がかかり、関節が不安定になります。この不安定さが続くと、膝の他の構造物、特に前十字靭帯に負担がかかり、最終的に断裂することがあります。

膝蓋骨脱臼が進行するとどうなるか

初期の膝蓋骨脱臼では、膝関節に軽度の不安定性しか生じませんが、脱臼が繰り返し起こることで、膝の内部にある靭帯や関節の軟部組織が損傷を受け、前十字靭帯に過剰な負荷がかかります。この過剰な負荷が続くと、前十字靭帯が断裂する原因となります。

前十字靭帯断裂の影響

前十字靭帯が断裂すると、膝関節はさらに不安定になります。これにより、犬は痛みを感じたり、歩行が困難になったりします。また、膝関節の不安定性が悪化すると、将来的に関節炎などの他の膝の問題が生じる可能性もあります。

症例紹介

レントゲン検査では前十字靭帯が切れているためスネの骨である脛骨に大腿骨が乗っておらず落ちてしまっています。

手術では膝蓋骨脱臼の手術を2つと前十字靭帯の手術を1つ行います。

膝蓋骨脱臼(パテラ)がある仔は進行する前に治療をすることをおすすめいたします。