犬の頸部腫瘍について
頸部の腫瘍には、良性のものから悪性のものまでさまざまな種類があります。また、腫瘍以外にも、**リンパ節の腫れ、唾液腺の炎症、甲状腺の異常、膿瘍(うみ)**なども似たようなしこりとして現れることがあります。
頸部にできる腫瘍の主な可能性:
- リンパ腫(悪性リンパ腫):リンパ節が腫れてくる病気で、全身性の悪性腫瘍です。
- 甲状腺腫瘍:甲状腺から発生する腫瘍で、良性のものもあれば悪性のものもあります。
- 唾液腺の腫瘍やう腫(うみを伴う炎症)
- 脂肪腫(良性の脂肪のかたまり)や線維腫
- その他の皮膚や皮下組織、神経・筋肉などから発生する腫瘍
症例紹介
症例は12歳のトイプードルで頸部の腫瘤を主訴に来院しました。


頸部には大型の腫瘍が存在しており腫瘍は他の組織にくっついているようでした。
切開すると大型の腫瘍が頚静脈、頸動脈、頸部の神経に癒着して存在していました。腫瘍とこれら正常な脈管や神経を剥離していきます。これらの血管が切れると大出血が起こり最悪死んでしまうため慎重に剥離します。出血したときに備えて血管の上流と下流を確保しておきます。
腫瘍から剥離しているところです。
腫瘍を摘出したあとの状態です。頸動脈、頸静脈、神経が確認できます。出血していないことを確認して縫合します。

術後出血は無く傷もきれいに治っております。
頸部の腫瘍は悪性の腫瘍ができることがよくあります。異常が見られましたら早めに来院ください。