内視鏡検査について
内視鏡検査とは、細く柔らかいカメラ付きの管(内視鏡)を動物の体内に挿入し、直接内臓の様子を観察する検査です。主に、消化管(食道・胃・腸など)の異常を調べる際に使用されます。
■ この検査でわかること
- 嘔吐や下痢の原因
- 異物の誤飲(おもちゃ・布・骨など)
- 胃や腸の炎症、潰瘍、腫瘍の有無
- 組織の採取(生検)による病理検査
■ 検査の流れ
- 事前診察と相談
内視鏡検査が必要かどうかを判断するため、まずは診察を行います。 - 絶食・絶水
検査前には消化管内を空にする必要があるため、一定時間の絶食・絶水をお願いすることがあります。 - 全身麻酔
動物が動かないように、また痛みや不安を与えないように、検査は全身麻酔下で行います。 - 検査・処置
内視鏡を口や肛門から挿入し、必要に応じて異物の除去や組織の採取を行います。 - 麻酔からの回復・帰宅
麻酔の状態が安定してからご帰宅いただきます。ごくまれに日帰り入院が必要になることもあります。
■ 検査のメリット
- 開腹手術をせずに体内を詳しく調べられる
- 痛みや体への負担が少ない
- 異物の除去など治療的な処置も可能
症例紹介
症例は5ヶ月齢の犬で急性に頻回の嘔吐があったとの主訴で来院しました。
超音波検査では消化管は動いておらず腫れが酷かったため内視鏡にて検査を行いました。




内視鏡検査では小腸粘膜の広範囲の壊死脱落が見られました。消化管穿孔の可能性があったため内視鏡での生検は行わずに開腹下での生検を行いました。
病理診断では毒物もしくは感染性の炎症・壊死との診断でした。粘膜を修復する治療を行い、症状は改善していきました。
嘔吐や下痢などの消化器症状が見られましたら早めにご相談ください。