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軟部組織肉腫について
■ 軟部組織肉腫とは?
軟部組織肉腫(なんぶそしきにくしゅ)は、皮膚の下の筋肉、脂肪、神経、血管などの「軟らかい組織」にできる腫瘍(しゅよう)です。がんの一種で、多くの場合ゆっくりと大きくなっていきますが、周囲の組織にしっかりと入り込む性質(浸潤性)があり、再発しやすい特徴があります。
■ よくある症状
・皮膚の下にしこり(腫れ)ができる
・触っても痛がらない場合が多い
・しこりが徐々に大きくなる
・歩き方がおかしくなる(場所によって)
見た目では良性のしこりと区別がつかないことも多く、検査が必要です。
■ 診断と検査
診断には以下のような検査を行います:
- 細胞診(針で細胞をとる):まずは簡単な検査で腫瘍の種類を調べます
- 生検(組織の一部をとって詳しく調べる)
- 画像検査(レントゲンやCTなど):転移の有無や腫瘍の広がりを調べます
■ 治療法
- 外科手術
腫瘍をできるだけ広い範囲で切除します。周囲に広がりやすいため、再発を防ぐために「余裕を持って切る」ことが大切です。 - 放射線治療
取りきれなかった腫瘍や再発防止のために使われることがあります。 - 化学療法(抗がん剤)
軟部組織肉腫ではあまり効果が出にくいこともありますが、状況によって検討します。
症例紹介

症例はボーダーコリーの左肩から肘にかけてできた大型の腫瘍です。他院での腫瘍が難しいとのことで来院しました。腫瘍は筋肉、骨などの組織に癒着しており、かなり広範囲に広がっておりました。摘出した腫瘍の重さは1.5kg以上ありました。
なにかしこりに気づいた場合は早めに検査をおすすめいたします。