猫のリンパ腫に対する抗癌剤治療について

猫のリンパ腫などの悪性腫瘍に対しては、**抗がん剤(化学療法)**が治療の中心となります。
抗がん剤治療は、腫瘍細胞の増殖を抑えて病気の進行を遅らせ、できるだけ長く、快適な生活を送ることを目標に行います。


■ 抗がん剤治療の基本

人のがん治療とは異なり、猫では**「生活の質(QOL)」を大切にしながら行う治療**が基本です。
強い副作用を避け、できるだけ普段どおりの生活を送れるように、薬の量や間隔を調整します。

治療は主に点滴(静脈注射)または内服薬で行い、通常は1~3週間に1回程度の通院が必要です。


■ 主な治療プロトコル

① COP プロトコル

  • 使用薬剤:シクロホスファミド(C)・ビンクリスチン(O)・プレドニゾロン(P)
  • 比較的副作用が少なく、猫に多く用いられる基本的な治療法です。
  • 治療期間:およそ6か月前後(腫瘍のタイプによって調整)
  • 主な特徴:点滴治療が中心で、体調を見ながら通院間隔を調整できます。
  • 対象:中~高悪性度のリンパ腫など。

② CHOP プロトコル

  • 使用薬剤:シクロホスファミド(C)・ドキソルビシン(H)・ビンクリスチン(O)・プレドニゾロン(P)
  • COPに**ドキソルビシン(アドリアマイシン)**を加えたより強力な治療法です。
  • 犬では標準的な治療ですが、猫ではやや副作用(食欲低下、嘔吐、骨髄抑制など)が出やすい傾向があります。
  • 腫瘍の勢いが強い場合に検討します。

③ L-CHOP プロトコル

  • 使用薬剤:L-アスパラギナーゼ(L)・シクロホスファミド(C)・ドキソルビシン(H)・ビンクリスチン(O)・プレドニゾロン(P)
  • CHOPにL-アスパラギナーゼを追加した強化型プロトコルです。
  • 急速に進行するリンパ腫(特に大細胞型)などで用いられることがあります。
  • 治療効果が高い反面、副作用管理が重要になります。

■ 登戸動物医療センターでの抗癌剤治療

登戸動物医療センターでは症例に合わせて抗がん剤の種類や投与方法を変えて、なるべく副作用が出ないように、かつなるべく抗がん作用が強く出るように工夫しております。外科との併用や、レーザー治療との併用など様々な治療が可能です。もし、腫瘍疾患でお困りであれば一度ご相談ください。