犬の逆さまつげ(異所性睫毛)について

異所性睫毛とは、本来まつげが生える場所ではない部分から、まぶたの裏側(結膜側)を通って眼球の表面に向かって生えてしまう睫毛のことをいいます。
トイプードルなど小型犬に多い疾患で、強い痛みや角膜トラブルの原因になることがあります。

■ 症状

異所性睫毛は、角膜(黒目)を直接刺激するため、次のような症状が見られることがあります。

  • 目をしょぼしょぼさせる
  • 涙が多い、目やにが増える
  • まばたきが増える
  • 角膜炎や角膜潰瘍(黒目が傷つく)
  • 充血や痛み
  • 片目だけ症状が強いことが多い

特に、角膜潰瘍を起こすと痛みが強く、治療が必要となります。

■ 原因

異所性睫毛は、まぶたの発育過程の異常が原因と考えられており、若い犬に見られることが多い病気です。
トイプードルなど特定の犬種で発生しやすいことが知られています。

■ 診断

診察では、まぶたの裏側を丁寧に観察して、異所性睫毛の有無を確認します。
併せて角膜の傷を調べるために、フルオレセイン染色などの検査を行うことがあります。

■ 治療

異所性睫毛は自然に治ることがほとんどないため、次のような治療が選択されます。

  • 睫毛の抜毛
    一時的に痛みは改善しますが、再発しやすいため根本的な治療にはなりません。
  • 外科的治療
    問題の睫毛が生えている部分を処置して再発を防ぐ治療が行われます。
    まぶたの構造に応じて、電気・レーザー・外科切除など適切な方法を選択します。

角膜の炎症や傷がある場合は、点眼薬や内服薬で並行して治療を行います。

■ 経過と予後

適切な処置を行うことで、痛みの改善や再発防止が期待できます。
ただし個体差があり、まぶたの状態によっては複数回の処置が必要になることもあります。

症例紹介

症例は逆さまつげのあるトイプードルです。
鎮静・麻酔をかけた状態で極細の針状の電極を毛根に入れ、通電することで毛根を焼き、永久脱毛を行います。この方法であれば毛が黒くない子でも脱毛が可能です。

当院では抜毛だけでなく、レーザー脱毛、電気針脱毛、外科切除のすべてが可能です。症例に合わせて治療が可能です。一度ご相談ください。