うさぎの子宮腺癌について
子宮腺癌は、うさぎの子宮にできる悪性腫瘍(がん)です。
特に避妊手術をしていない中高齢のメスうさぎで非常に多くみられる病気で、
うさぎでは最も発生率の高い腫瘍のひとつとされています。
なぜうさぎに多いの?
うさぎは加齢とともに、女性ホルモンの影響で子宮の病気を起こしやすくなります。
その結果、子宮の内側の細胞ががん化し、子宮腺癌が発生します。
5歳以上の未避妊メスでは、かなり高い確率で子宮の異常が起こるといわれています。
主な症状
初期には目立った症状がないことも多く、進行してから気づかれることがあります。
- 血尿や陰部からの出血
- 食欲低下、元気がない
- 体重減少
- お腹が張る
- 呼吸が苦しそう(肺転移がある場合)
※症状が出た時点で、すでに進行していることも少なくありません。
放置するとどうなる?
子宮腺癌は進行性の病気で、
- 子宮の破裂
- 腹腔内出血
- 肺などへの転移
を起こし、命に関わる状態になることがあります。
そのため、早期の対応が非常に重要です。
検査について
状態を確認するために、
- 超音波検査
- レントゲン検査
- 血液検査
などを行い、子宮の状態や転移の有無、全身状態を評価します。
治療について
外科治療(子宮・卵巣摘出手術)
子宮腺癌の最も有効な治療は、子宮と卵巣を摘出する手術です。
手術の目的
- 腫瘍そのものを取り除く
- 出血や破裂のリスクを防ぐ
- 転移や進行を抑える
早期であれば、手術によって良好な予後が期待できる病気です。
手術のリスクについて
うさぎは犬や猫に比べて、
- 麻酔に弱い
- ストレスに敏感
- 術後に食欲が落ちやすい
といった特徴があります。
そのため、
- 麻酔リスク
- 出血
- 術後の食欲不振や腸の動き低下
などの可能性はありますが、
腫瘍を放置するリスクの方が高い場合には、手術が最善の選択となります。
術後管理について
- 術後は食欲・排便の確認がとても重要
- 必要に応じて強制給餌や点滴を行います
- 痛み止めを使用し、回復をサポートします
状態が安定すれば、通常の生活に戻ることが可能です。
予防について
子宮腺癌は、若いうちに避妊手術を行うことでほぼ確実に予防できます。
- 1〜2歳頃の避妊手術
- 健康なうちの計画的な手術
が、将来の命を守る大切な選択になります。
症例紹介
症例は7歳のうさぎで、赤い尿をしているとの主訴で来院しました。

超音波検査の結果子宮が腫れていることが確認できたため摘出手術を行いました。

画像は手術中の様子で、子宮が腫れていることが分かります。
この症例は摘出をして当日退院しております。検査の結果子宮は子宮腺癌でした。再発がないかどうか経過を見て行くことになります。

