指の腫瘍について

指にできる腫瘍は、見た目以上に深く広がっていることがあり、外科的に取り除くこと(手術)が治療の基本となります。
腫瘍の状態や広がりによって、いくつかの治療選択肢があります。

腫瘍の摘出手術について

腫瘍のみを切除する方法では、指を残せるという利点があります。
しかし、指はもともと皮膚に余裕が少ない部位のため、腫瘍を十分な範囲で切除すると、皮膚が足りず、傷を完全に縫い閉じることができない場合があります。

無理に縫合すると、傷が開いたり治りが悪くなることがあるため、
状況によっては時間をかけて治す方法を選択することもあります。

断指(指の切断)という選択肢

腫瘍が指全体に及んでいる場合や、再発のリスクをできるだけ下げたい場合には、
**指そのものを切断する「断指」**が適していることがあります。

断指を行うことで、

  • 腫瘍を確実に取り切れる可能性が高くなる
  • 傷を無理なく閉じることができる
  • 術後のトラブルや再発リスクを抑えられる

といったメリットがあります。

指が1本なくなることに不安を感じられる飼い主さまも多いですが、
多くの犬や猫は歩行や日常生活に大きな支障なく順応します。

 症例紹介

指の切断の可能性があるとのことでかかりつけより紹介で来院しました。なるべく指を残したいとのことで、今回は足首側の皮膚の皮弁により傷を塞ぐ方法を取りました。

作成した皮膚による皮弁

傷を塞いだあとの状態

傷は離開すること無く順調に治ってきています。

今回は指を切断すること無く腫瘍のみ摘出することができました。腫瘍が進行してしまうと、指だけでなく、足ごと切断する必要が出てくることもあります。できものができた場合は早めにご相談ください。