症例カテゴリー
猫の腸の腺癌について
腸の腺癌とは、**腸の内側の粘膜から発生する悪性腫瘍(がん)**です。
猫では比較的まれな病気ではありますが、進行しやすく、発見された時点で重症化していることも多い腫瘍です。
どんな猫に多い?
- 中高齢の猫に多い
- 明確な原因はわかっていません
- 小腸や大腸に発生することがあります
主な症状
腸の腺癌は、症状がはっきりしないまま進行することが特徴です。
- 食欲低下、体重減少
- 慢性的な嘔吐や下痢
- 便秘、便が細くなる
- 元気がない
- 腹部にしこりが触れることがある
※これらの症状は、炎症性腸疾患など他の病気と区別がつきにくいこともあります。
放置するとどうなる?
腸の腺癌は進行すると、
- 腸が狭くなり、食べ物や便が通らなくなる(腸閉塞)
- 腸に穴があく(穿孔)
- 腹腔内への播種やリンパ節・他臓器への転移
を起こし、命に関わる状態になります。
検査について
診断のために、
- 超音波検査
- レントゲン検査
- 血液検査
- 必要に応じて内視鏡検査やCT検査
を行い、腫瘍の位置・大きさ・転移の有無・全身状態を評価します。
最終的な確定診断は、摘出した組織の病理検査によって行われます。
治療について
外科治療(手術)
腸の腺癌に対して、最も有効とされる治療は手術による切除です。
手術の目的
- 腫瘍を可能な限り取り除く
- 腸閉塞や穿孔などの重篤な合併症を防ぐ
- 症状を改善し、生活の質を保つ
腫瘍を含む腸の一部を切除し、残った腸をつなぎ直す手術を行います。
手術のリスクについて
猫の腸の手術では、
- 麻酔のリスク
- 縫合部からの漏れ(縫合不全)
- 感染や腹膜炎
- 術後の食欲不振や下痢
などの可能性があります。
また、すでに転移がある場合は、手術で完治できないこともあります。
それでも、詰まりや痛みを取り除くための緩和的な手術として意味がある場合もあります。
症例紹介
症例は11歳の猫で食欲不振を主訴に来院しました。

超音波検査では消化管に腫瘍が確認されました。
消化管には腫瘍が認められました。
腸を切除してつなぎ合わせた状態です。
腸のガンは摘出によって完治する可能性のある病気です。何か異常がみられましたら早めにご相談ください。

