比重

比重一般的な解釈主な原因
<1.017漏出液(Pure transudate)低アルブミン血症、門脈圧亢進など
1.017〜1.025変性漏出液(Modified transudate)心不全、腫瘍、肝疾患、リンパ流障害など
>1.025滲出液(Exudate)炎症、感染、腫瘍、FIPなど

TP WBC 

分類TP(g/dL)WBC/μL備考
漏出液<2.5<1000~1500低アルブミン血症(タンパク漏出性腸症・腎症、肝不全等)、初期の膀胱破裂などを疑う
変性量出液(高タンパク漏出液)2.5~3.51000~5000うっ血性心不全、肝不全など疑う
浸出液>3.0>5000炎症性疾患(消化管穿孔、胆汁性腹膜炎、尿副将、膵炎等)を疑う
乳糜性腹水>2.5さまざま外傷、腫瘍、横隔膜ヘルニア、特発性など疑う
腫瘍性腹水>2.5さまざま細胞診検査で腫瘍細胞が認められる場合もある
FIP>4.0<5000腹水のPCR検査を実施する

腹水・胸水検査 ルーチン一覧(犬・猫)

検査項目基準・比較わかることルーチン
外観(色・透明度・臭い)肉眼評価出血、乳び、胆汁、膿など★★★
比重(SG)屈折計漏出液・滲出液の分類★★★
総蛋白(TP)g/dL漏出液・滲出液の分類★★★
有核細胞数(TNCC)cells/μL炎症・腫瘍の評価★★★
細胞診塗抹・染色炎症、腫瘍、細菌、FIPなど★★★
PCV/HCT血液と比較出血性かどうか★★☆
グラム染色細菌確認細菌感染の評価★★☆
細菌培養(好気・嫌気)培養感染菌の同定・感受性試験★★☆

疾患別に追加する検査

疑う疾患検査項目判定・ポイント
FIPRivalta試験陽性でFIPを支持
AGP高値でFIPを支持
FCoV PCR補助診断
A/G比低下でFIPを支持
尿腹腹水Cr・血清Cr腹水Cr>血清Cr
腹水K・血清K腹水K>血清K
胆汁性腹膜炎腹水Bil・血清Bil腹水Bil>血清Bil(約2倍以上で強く疑う)
乳び胸・乳び腹胸腹水TG・血清TG胸腹水TG>血清TG
コレステロール補助診断
腫瘍細胞診最重要
PARRリンパ腫の診断補助
フローサイトメトリーリンパ系腫瘍
免疫染色腫瘍分類
化膿性腹膜炎・膿胸細胞診変性好中球・細胞内細菌
グラム染色菌種の推定
細菌培養起因菌同定
出血性腹水PCV末梢血PCVと近ければ腹腔内出血を疑う

検査疑う疾患・目的
LDH炎症・腫瘍の補助
グルコース感染性胸膜炎・腹膜炎
乳酸敗血症・虚血
pH感染性胸膜炎・腹膜炎

必須項目必要時追加
外観評価PCV
比重Bil(胆汁性腹膜炎)
TPCr・K(尿腹)
TNCC 有核細胞数TG・コレステロール(乳び)
細胞診Rivalta・AGP・FCoV PCR(FIP)
EDTA保存グラム染色・細菌培養
プレーン管保存PARR・フローサイトメトリー・免疫染色

疑う病気によって追加する検査

① FIPを疑う猫

  • Rivalta試験
  • AGP(α1酸性糖蛋白)
  • FCoV PCR
  • アルブミン・グロブリン比

かなり診断の助けになります。


② 尿腹を疑う

腹水Cr
血清Cr

腹水Cr > 血清Cr
なら尿腹を強く疑います。

また

腹水K
血清K

腹水Kが高いことも参考になります。


③ 胆汁性腹膜炎

腹水ビリルビン
血清ビリルビン

腹水Bil > 血清Bil
なら胆汁漏出を強く疑います。

(一般に腹水ビリルビンが血清の約2倍以上なら可能性が高いとされます。)


④ 乳び胸・乳び腹

TG(中性脂肪)

胸水TG > 血清TG

なら乳び性。

さらに

コレステロール

も測定すると診断精度が上がります。


⑤ 腫瘍

細胞診

これが最重要です。

必要に応じて

  • PARR
  • フローサイトメトリー
  • 免疫染色

まで進めます。


⑥ 化膿性腹膜炎・膿胸

  • 細胞診
  • グラム染色
  • 細菌培養(好気・嫌気)
  • 必要ならPCR

細胞内に細菌が見えたら緊急性が高いです。


⑦ 出血性腹水

PCV

腹水PCVが末梢血に近いなら
腹腔内出血を疑います。


その他あると便利

  • LDH
  • グルコース
  • 乳酸
  • pH

特に

胸水グルコースが血糖より20 mg/dL以上低い

あるいは

胸水乳酸が高い

場合は細菌感染を疑う根拠になります。